ふと、浮かぶ…感覚を大切に。

今日は雨。

雨に濡れた庭の新緑が、ひときわ鮮やかに煌めいている。

静かな息遣いが聞こえてきそうなほど。

季節は、間違いなく移ろっている。

祖母がよく言っていた。

「木の芽時は、いろんな病が出やすい。だからこの時期は、養生して、ゆるりと過ごすんやで」と。

せっかちな私は、ついトップスピードで走り出してしまう。

だからこそ、春になると祖母の顔が浮かぶのかもしれない。

ふと、浮かぶ――

この感覚は、きっと誰もが持っている。

けれど、つい見逃してしまうことも多い。

でも、そこにこそ。

知恵や気づきの種が隠れているのだと思う。

これは、特殊な能力なんかじゃない。

ただ、見逃さないでいること。

それだけのことなのだろう。